マンション建設現場の前を歩いていたら、突然後ろから左足を引っ張られた。足元を見ると、昔死んでしまった愛犬のラルフが、あたしのジーンズのすそを噛んで地面に踏ん張っている。「ラルフ!どうしたの?!」と驚いて声を上げたその時、凄まじい轟音と振動がして頭の中が真っ白になった。呆然と前を見ると、そこには巨大な鉄骨が横たわっていた。土煙がたちこめる中、ラルフはもうどこにもいなかった。